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家族信託とは?資産を守る選択肢!

家族信託とは?資産を守る選択肢!

高齢者の約5人に1人が認知症と言われている現在。歳を取れば誰にでも認知症のリスクがあります。認知症が進行し、判断能力が低下もしくは喪失してしまうと、自分の財産はどうなってしまうのでしょうか。

判断能力が低下してしまうと、「財産が凍結」され預貯金・不動産・有価証券などの財産の管理や処分が出来なくなってしまいます。預貯金が使えなくなったり、建物を賃貸に出すために必要な修繕費の支出もできなくなり空室が増える場合もありえます。また、不動産を売却できなくなったりし、老後資金が不足するだけでなく、家族にも大きな負担がかかってしまうおそれもあります。そうなってしまう前に活用していただきたいのが『家族信託』です。

家族信託とは何か?

家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族に託し、契約に基づいて財産を管理・運用してもらう制度です。この制度は、主に高齢化社会において、認知症や判断能力の低下による財産管理の課題を解決するために注目されています。

高齢者が認知症を発症してしまうと、自分の不動産や預貯金を自由に扱えなくなることがあります。この状況を防ぐため、あらかじめ信託契約を結び、財産管理を任せる家族を決めておくことで、財産を有効活用しながら生活を維持することが可能になります。

家族信託の登場背景と必要性

家族信託が注目される理由には、日本の高齢化や家族構成の変化があります。

1. 高齢化社会と認知症リスク

日本では65歳以上の高齢者が増加しており、認知症の発症率も上昇しています。認知症になると、法的に財産を管理・処分する能力が制限されるため、資産が「凍結」されるリスクが高まります。このような問題を防ぐため、家族信託は有効な手段となります。

2. 相続トラブルの回避

財産をどう分けるかをめぐる相続トラブルは年々増加しています。家族信託では、生前に財産管理と受益者(財産の利益を受け取る人)を明確にするため、相続時の争いを未然に防ぐことができます。

家族信託の基本的な仕組み

家族信託は「委託者」「受託者」「受益者」という3つの役割で構成されます。

1. 委託者

財産を信託する人。一般的には、財産を持つ高齢者が委託者となります。

2. 受託者

財産を託され、契約に基づき管理・運用を行う人。主に信頼できる家族が選ばれます。

3. 受益者

信託財産の利益を受け取る人。委託者自身が受益者になることもあれば、家族が受益者となる場合もあります。

具体的には、委託者が「自分の不動産や預金を管理してほしい」と受託者に依頼し、受託者がその財産を活用して、委託者の生活費や医療費に充てるといった使い方が一般的です。

家族信託の具体例

・42歳の長女から父(71歳)の物忘れが多く、認知症の初期症状ではないか不安。
・父の所有しているアパート2棟の運営と、父がこれからどうなるか分からないので心配。
・母(68歳)も高齢のためこの先どうすれば良いか?

事前に家族信託をする場合

預貯金や支払われる年金、株式、不動産(自宅・アパート2棟)などの資産管理を、制限を設けられ他人に報酬を支払うことなく、希望どおり自分たちのために使うことができる

家族信託をしなかった場合

・銀行が認知症と知った時点で預金口座が凍結される。
・不動産・自宅の売却もできなくなり、アパート経営もできくなる。

家族信託のメリット

1. 財産の凍結を防ぐ

認知症などで判断能力が低下しても、信託契約があれば財産の管理がスムーズに行えます。

2. 柔軟な財産管理が可能

遺言ではできない生前の財産運用や、細かな条件設定が可能です。たとえば、「毎月一定額を生活費として支払う」といった指定もできます。

3. 相続争いを防ぐ

財産の分配方法をあらかじめ契約で決めておくことで、家族間のトラブルを減らせます。

家族信託を始める際の注意点

1. 信頼できる受託者を選ぶ

受託者には財産管理の責任が伴うため、信頼できる家族を選ぶことが重要です。

2. 専門家に相談する

家族信託は法的な手続きが複雑なため、弁護士や司法書士・信託専門家に相談して契約を進めるのが安心です。

3. 信託財産の内容を明確にする

どの財産を信託するのか、どのように運用するのかを具体的に定めることで、トラブルを防ぐことができます。

家族信託で未来を守る

家族信託は、財産管理や相続のトラブルを防ぐための新しい選択肢です。高齢化社会が進む中、家族の絆を守りながら柔軟に資産を運用できる点が大きな魅力です。

家族信託を活用することで、安心した老後を過ごすだけでなく、家族が次世代へ円滑に財産を受け継ぐ仕組みを作ることができます。将来の不安を少しでも軽減するために、専門家と相談しながら家族信託を検討してみてはいかがでしょうか?

TEL 022-341-4005 LINE